3Mのテクノロジープラットフォームについて調べました

Takeshi Ninomiya
5 min readAug 6, 2019

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最近、社内で「うまく技術共有する仕組みを知りたい」という意図で、3Mのテクノロジープラットフォームの話を聞くことが多いです。

3Mはアメリカの化学・電気素材メーカーで、ポストイットなどの製品で知られています。イノベーティブな会社として知られているらしく、経営学者の野中郁次郎さんが著書を執筆したこともあるそうです。

たとえば、サンドペーパーの製造のベースには、「研磨剤技術」「接着・接合技術」「コーティング技術」がありましたが、この内の「接着・接合記述」「コーティング技術」を利用してマスキングテープやセロハンテープを開発する、といった具合です。

3Mが培ってきたベースとなる技術は「テクノロジープラットフォーム」と呼ばれ、現在ではそれが46個もあります。これらを組み合わせることで、今も次々に新しい製品が生み出されているのです。

読んだ本

少し気になっていたのですが、先輩から2冊本を借していただけました。

こちらは半分は著者の実地のマネジメントノウハウ本のような内容で、「マネージャーになった後に読めばいいかな」って内容でした。。先輩からも「気になる章を拾い読みすればいい」と紹介されました。

こちらは社史のような内容です。創造性(メンバーに自由を持たせる)と成長性(稼ぐプロダクトを作るために規律を求める)のトレードオフをどう取ってきたかが説明されています。

テクノロジープラットフォームについて

100年成長企業のマネジメント』の306ページあたりから箇条書きで引用していきます。

  • 単に組み合わせるだけでなく、実際に製造できる
  • すべての技術が会社に帰属するため、部門ごとの囲い込みを防いでいる
  • 自主運営の「テクニカルフォーラム」というゆるい組織があり、部門間の橋渡しになっている

テクニカルフォーラムについては、こちらの記事に紹介がありますね。

──そのテクニカル・フォーラムとはどのような仕掛けなのでしょうか。

新村氏:テクニカル・フォーラムは、3M社内の技術系社員の集まり。材料や電気、人工知能(AI)など、研究分野ごとに設けられた自主的なコミュニティーです。何の制約も約束もなく、自主的な活動を通してアイデアが生まれ、場合によってはこれを起点に新製品につながります。興味があれば誰でも参加することができ、複数のコミュニティーに参加することも可能です。米国だけではなく、世界のコミュニティーもあり、活動に必要な資金は会社が捻出しています。

IT企業に導入できるのか?

そもそもテクノロジープラットフォームのコンセプトが、「材料の組み合わせで新規商品を作る」という化学メーカーならではのものという気もします。

そのため「IT企業だと同じ形のものをそのまま導入するというのは難しいのではないか?」と思って読んでいたのですが、3Mの紹介本であるためヒントになりそうなことは得られませんでした。

これは野中郁次郎さんの本とか、一般的な経営学の本のほうが「異業種に適用する場合に何に気をつければいいのか」がまとまっているかもしれません(私がそこまで追うのはきつそうですが)。

ただ、もしかすると「データと機械学習手法の組み合わせ」といった考え方ならイケるかもしれません。プログラムでいうと「OSSとして公開したほうがメリットあるのではないか?」みたいな気もするので。

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Written by Takeshi Ninomiya

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